10月27日(日)13時より、国立成育医療研究センターの講堂において「“支える”“支えられる”ということ~重い病気がある子どもと家族が共に暮らせる社会にするために必要なこと~」をテーマに講演会・スペシャル対談を開催しました。
先ず、津田塾大学客員教授・元厚生労働事務次官の村木厚子さんによる講演会、ヴァイオリニスト・歌手の増田太郎さんによるミニコンサートを挟んで、認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク顧問の小林信秋さんと村木厚子さんによるスペシャル対談が行われました。
講演会では、先ず村木厚子さんから「仕事の出会いで学んだこと」として、障がい者との接し方、また繋がり方について話がありました。
続いて「子育ての中で学んだこと」として、子育ての大変さと人とつながる機会になることなどについてお話がありました。
さらに、「事件を通じて学んだこと」として、逮捕されて163日間拘留された経験を通じて、1夜にして支える立場から支えられる立場に変わったこと、誰もが支えられる立場になること、家族や同僚からの支えと弁護士の方の支えが大きかったことなどお話しいただきました。
最後に「島根の甑島で学んだこと」というテーマで、「困ったなあと口に出すこと」、また「私でできることでよければ」と口に出すことが大事とのお話をいただきました。
続いてヴァイオリニストの増田太郎さんのミニコンサートがあり、その力強い演奏とユーモアあふれる語りに皆さん魅了されていました。
中でも、6月に亡くなった喜谷昌代前理事長のために演奏した曲に、英国より訪日中のご主人、喜谷喜夫さんはじめ皆さん聞きほれていました。
対談開始前に、小林信秋さんより障がい児のことについて先ずお話があり、その後村木厚子さんとの対談が始まりました。
村木厚子さんはこれまで自分が関わらなかった障がいの世界との間の川をどうやって渡れば良いか最初は分からなかったという悩みがあったとの話がありました。
子ども同士の交流の大切さ、異なるものとつながる大切さ、それを通じて成長する子どもたちについて話が続きました。
その障がいの世界との川に橋を架けたり、船で渡れるようにするのが財団の務めのひとつであるとの思いを抱きました。
人はみな支えるだけではなく、支えられることもあって初めてバランスが取れること、また一人では生きていけないことを知った講演会・スペシャル対談となりました。
登壇者、演奏者の皆さまと来場者の皆さまに感謝申し上げます。
アンケートのコメントから:
●村木さんご自身の経験談から誰もが支え・支えられて生きているものということが良く分かりました。
●増田太郎さんのエネルギッシュな演奏と語りに元気をもらいました。
●対談では病気のあるなしに関わらず子ども同士の交流の大切さを感じました。違いを理解した子どもたちが成長した時に社会は変わっていくのかも知れません。
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