講演会「すべての子どもを育む社会を目指して〜医療的ケアとともに生きる子どもと家族〜」

6 月24 日(土)、成城ホールにて、講演会『すべての子どもを育む社会を目指して〜医療的ケアとともに生きる子どもと家族〜』、写真展『生きる喜び 〜重い病気を持つ子どもと家族の日々〜』を開催しました。
ご来場いただきました多くの皆様に心より感謝申し上げます。いただいた貴重なご意見を大切に、必要とされることに届くような活動を進めてまいりたいと思います。

講演内容のご紹介

『弱さと生きる』
高橋源一郎さん(作家・明治学院大学教授)

ご自身の経験から「弱さ」と向き合った時の親が子に思う気持ちや子育てについてのお話しや『「弱さ」を持つ人は、他の人へ力を与えてくれる能力を持つ存在である』『子どもは、不完全で未熟な人間へのギフトである』と語りかけて下さいました。
 
『日本の子どもの医療・福祉の現状』
賀藤均さん(国立成育医療研究センター病院長)

先進国の中でまだまだ遅れている日本の子どもの医療環境や福祉、また貧困や教育問題について示すとともに『子どもはその国の未来。子どもへの医療・福祉を含めた経費は国の未来への投資である』と熱く語って下さいました。
 
『医療的ケアが必要な子どもの成長をみつめて』
吉沢綾香さん(姫と王子の医ケアの会)

小顎症という医療的ケアを必要とするお子さんを育てながら『姫と王子の医ケアの会(要医療的ケア児の親の会)』を立ち上げた経緯や、これまでの母親としての率直な気持ち、また、声を上げることのむずかしさを知ってほしいこと、医療的ケアがあることで子どもたちの可能性を奪わないでほしいと語り、『自信を持って私たちが母親として(介護者ではなく)子どもと向き合いながら子育てが出来る社会に』とお話し下さいました。
 

ドキュメント映像『医療的ケアの必要な子どもたち』

医療的ケアをしながら生きる厳しい社会の現実や、日々の生活の様子、親の気持ちなどを紹介しました。

『特別ミニコンサート』
秦万里子さん(音楽家、一般社団法人「MUSIC FORHEARTS」理事長)

秦さんの曲に込めた優しさあふれるお話しとともに「あなたがいい」「いつまでもいつまでも」「あなたになれ」、そしてつらいときに元気を呼ぶ「涙と虹とおひさまと」、普段なかなか言えない相手に気持ちを込めた「あなたが」の5 曲をプレゼントしてくださいました。

 

【皆様からいただいたご意見、感想(アンケートより)】

・ 日本の子どもたちはもっと守られなければならないということが切実に分かった。

・ 知らなかったご家族の大変さや気持ちがわかり、多くの支援を呼びかけたいと思った。

・ どの子にも発達状態に応じたケア・教育をと切に思います。

・ 母親のお話は胸がつぶれる思いでした。社会の仕組みが、肉体的にも精神的にもサポートできないか考えたいと思いました。

・ 愛にあふれた応援歌、心に沁みました。