5月13日(日)宮野 亮氏(子どもと育ち総合研究所 所長)による「親子おもちゃの選び方・遊び方講習会」が、国立成育医療研究センター講堂にて開催されました。
今回は、医療的ケア児をもつご家族が対象でしたので、医療的ケア児のご家族20組にご参加いただきました。
ご家族からのご要望により実現
「医療的ケアがある子どもは、医師、看護師、リハビリ職(PT、OT、ST)といった専門家とは関わり、指導や訓練は受けるものの、楽しい子どもとの関わり方や、訓練ではない遊び用のおもちゃ選びの相談にのってもらう機会がないため、おもちゃ選びの専門家からのアドバイスをいただきたい!」という、ご家族からの強いご要望により、今回の講習会が実現しました。
出来ることを繰り返すことの大切さ
宮野先生からは、「年齢ごとのおもちゃの選び方」と「おもちゃ遊びとは何か」についての講義がありました。
「おもちゃを与えただけでは子どもは遊ばない。どのように遊ばせれば良いのかが重要である。出来ないことを繰り返すのでなく、出来ることを繰り返していくことが大切である。それがやがて、出来ないことが出来るようになることに繋がっていく」という宮野先生の言葉が印象的でした。
訓練ではなく遊びを取り入れての発達促進
宮野先生ご持参の数多くのおもちゃで遊びながら、2時間におよぶ講演の後に、参加者からの質問タイムがあり、様々な質問が寄せられました。
「お風呂での遊び方」、「音楽や音の楽しみ方」、「常時抱っこが必要なため、片手でも可能な遊ばせ方」等々の質問が寄せられました。
中でも、「立位や座位の訓練ばかりしているが、おもちゃを使用して楽しく遊びを取り入れながら発達を促すことができないか」という質問は印象的でした。
本日の講習会ならではの質問であり、また、お母様からの質問を耳にした理学療法士からは、「違った視点を学ぶことができた。今後にも活かしたい」との言葉もいただきました。
沢山の喜びの声
終了後のアンケートにも、「遊びとは、そもそも楽しむものだと改めて認識できた」「もっと楽しむ観点を大切にしたいと思った」「今困っていることが普通のことだと気づいた」「宮野先生にお会いして元気をいただいた」「出来ることを繰り返す大切さを教えていただいた」等々の喜びの声をいただきました。
今後も、医療的ケア児や重い病気をもつお子さんとご家族の皆様のお力になれますよう、少しでも寄り添えますよう、活動を続けてまいりたいと思います。
【講師プロフィール】宮野 亮(みやの あきら)
1960年福岡県生まれ。北九州市立大学文学部(中退)の後、大阪府立大学総合科学部人間関係コース(心理学、社会学専攻)卒業。
高校時代より野外活動リーダーをつとめ、辻井正の主宰する「おもちゃライブラリー」において障害児療育活動とおもちゃによる保育活動をはじめる。2004年、オランダCitoにてピラミッドメソッド国際普及会議に参加。2011年、子どもと育ち総合研究所(旧 辻井こども総合研究所)所長に就任。
子どもと育ち総合研究所:https://play-dev.jp/
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