KidsFam通信 No.2(2017年10月発行)

ご挨拶

喜谷昌代 昨年6 月の財団立ち上げから一年数か月が経ちました。多くの皆様にご支援、ご協力を賜り心よりお礼申し上げます。
 昨年4 月に、重い病気を持つ子どもとご家族に楽しい時間を過ごしていただく“もみじの家”が開設いたしました。これまで家の中だけで過ごし病院以外は行ったことがない、そんなお子さんがスタッフと遊んだり、大きなお風呂に入ったりと、初めての体験をしています。毎日、モニターの音を気にしながら、気の休まることのないご家族は、ケアをスタッフに委ね、いつもはできない事をし、のんびりした時間を過ごしていらっしゃいます。
 こうした施設が国内のあちこちにできてほしい、重い病気を持つ子どもとご家族が安心して暮らせる社会にしたい、そうした思いから、この財団を立ち上げたのでございます。
 今は“もみじの家”の一室を事務室としてお借りして、利用者のご家族への支援や啓発活動、研修事業などを行っております。
 最近はテレビ等で医療的ケアの必要なお子さんのことを取り上げてくださるようになりました。けれども実際の生活はまだまだ知られていないように思います。日常ケアのこと、ご家族の思い、幼稚園や学校の問題、きょうだいのこと、成人以降のこと、医療・福祉サービスのこと等、もっと多くの方に知って頂きたい、一緒に考えて頂きたい、と強く願っております。
 重い病気を持つ子どもとご家族が安心して普通の生活ができる社会になることを目指し、今後も活動を続けてまいりたいと思います。引き続き、ご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

「KidsFam 財団の今後の活動に期待します。」

五十嵐隆 “もみじの家”の運用が始まり1 年以上が経ちました。1 日の平均利用者数も本年8 月には7.7 人に増えています。利用登録者も500 人ほどになりました。
 “もみじの家”を利用される御家族の方の目的は様々です。利用者の方へのアンケート調査では、御家族のリフレッシュや休養だけでなく、きょうだいの通院・学校行事への参加、法事に出席する等が利用目的としてあげられています。しかしながら、スタッフ、チャイルドライフスペシャリスト、ボランティアの方々が協力して、入所する子どもが家庭で受けているケアと同等の質を担保しているだけでなく、子どもに遊びや楽しみを提供するなど子どもの育ちや生活の質を重視していることも、利用者から高く評価されています。
 医療的ケアを受けている子どものケアには高い医療技術や深い経験を必要とするものが少なくありません。“もみじの家”での医療的ケアが利用者の御家族から信頼されることはとても重要なポイントです。質の高い医療的ケアを提供するためには、設備がしっかりとしているだけでなく、看護職員の専門職としての技量や仕事におけるある程度の余裕も必要です。成育医療研究センターとしてはできるだけ利用者の御要望に添う質の高い医療的ケアを維持できるように努力する所存ですが、現在の保険診療制度の下では無視できない額の赤字が日々発生しています。医療費・福祉費の改定を厚生労働省に御願いするために厚生労働省の関係者に“もみじの家”を見学に来て戴きました。さらに、内多マネージャーや佐藤専門職が中心になって広報活動を活発に行い、御寄付を戴くことができるように
なってきています。
 KidsFam 財団の皆様によるボランティア活動は“もみじの家”の運営に現在では不可欠な存在です。これからもどうぞよろしくお願いいたします。皆様の活動が今後更に活発となり、“もみじの家”の活動が国民に広く知られ、わが国の各所に“もみじの家”と同じような施設が広まることを祈念しています。